Last update on Jun.22th,1998



香港1日紀行





6月20日(土)

 いつも一人である。  6月20日から21日で、香港に行ってきた。  香港という所は、今一つ好きになれない所である。初めて海外旅行をしたのが、89年に行った 韓国。この時、韓国にとても良い印象を受けていた私は、90年に渡航した香港にも同様の期待を もって行ったのである。残念ながらこの時の印象は、とても良いものとは言えなかった。それは、 韓国の人々の(極めて意外な事に?)とても親しみを覚えた対応にくらべ、世界中の注目を浴びる 為か香港では、「勝手に来たんだから、かってにすれば?」といった感じも受け、別段熱烈歓迎を して欲しいわけでもないけれど、なにか釈然としないものが残ったのである。 香港行きは、昨年に決まっていた事だ。カナダを出る時、 どうしてももう一度帰ってきたかった私は、1年間有効の オープンチケットを買った。その条件が香港まで行く チケットだったのである。できれば、返還直後のゴタゴタ に触れてみたかったのであるが、帰国後はそういうわけ にもいかない状態だったので果たせなかった。それと、 別段行きたいと思う国でもない所に、一泊3万4万という 話や日本人料金なんて話しも耳にすれば、やはり行きたく なかったのも本音である。もう一つ理由をつけるとすれば、 「香港なら、誰か(?)と行きたい!」という希望もあった。 こちらの方はなかなかうまく行かないもので、何度か見合い なるものもしてみたが、こちらがフラフラしている関係で うまく行くはずも無い。  香港行きはキャンセルし、カナダへいこうと決めてJALへ予約しに行くことにした。カナダへは、 帰国から1年を迎える7月25日までに行けば良いのだ。6月17日、会社の記念日で休みという事 で有楽町のJALへ向かう。 「香港をキャンセルして、7月15日にカナダへ行きたいのですが?」 (仕事は?と、聞かれそうだ。そのあたりの事情は、いずれ別のコーナーでアップすると思う。) 「カナダで買った切符ですから、途中の旅程だけをキャンセルする事はできません」 なにやら良く分からん決まりがあって、キャンセルできないらしい事が判明した。それならば、香港へ 行こうじゃないか!どうせチケットもある事やしな! しかし、ホテルで3万も取られたら馬鹿らしいなぁ... そこで、その時応対してくれていた女性に聞いてみた。 「香港日帰りは出来ますか?」 「残念ながら、ほんの1時間程の差で、ご用意できません。」 「安く泊まれる所紹介していただけます??」 「あちらにツアーのコーナーがありますので、聞いてみてください。」 「飛行機はどうですか?今週か来週の土日で行ってきたいのですが。」 「今週ならご用意できます。」 「じゃ、先に部屋を予約してきますので、あとでよろしく。」 まったく予想外な事に、わずか3日後に海外旅行をすることになりそうである。 全然関係ない話であるが、JALへくる前に免許の関係で警察にいった。その受付女性の対応と、 このJALの女性たちの対応の違いはどうだろう!!処理の手際や、気の使い方がまったく違う。 ま、私はあまり警察というものが好きではないので、思い込みも多少あるかとは思うけれど。 閑話休題。ツアーのコーナーで、次のように言った。 「今週の土曜の晩、香港で一泊しなければならないので、安い所を紹介して欲しいのですが?」 「1万円以下でもいくつかありますよ」 「え?最近は安いんですね。」 「いや、ツアーとしておさえてあるのを、個人でも御泊まりいただけるようにしているのです。  だから、今すぐは御泊まりいただけるか確認できないので、いくつか予約をいれていただく  ことになります。結果は多分明日に分かると思います。」 「いちばん安いのは?」 「8100円税込みです」 「場所は?」 「地図によると、クーロンの割と良い所みたいですよ。」 そのホテル以外にも4軒ほど待ちを入れてもらう事にして、今度は航空券を取に行った。 航空券はカナダ行きの分もあるので、若干時間がかかる。いろいろな質問に答えていたら、 先のツアー担当の人が来て「8100円の分でご用意できました」と伝えてくれた。 こんな案配で、香港旅行が決まったのである。 さて、困ったことを思い出した。 6月20日はワールドカップ、日本−クロアチアの一戦があった事を思い出したのだ。 安ホテルに、テレビはついているのか?? ちょいと安いのにしすぎたか?? 後悔しても、もう遅い。あとは、運を天に任せるだけである。  さて、出発当日は旅なれたものか10時成田発に、8時50分ころチェックイン。ちょっと 遅めなのは、朝早い土曜日の電車がこんなに少ないとは知らなかった為。なさけない。 ともかく支障なく飛行機に乗り込む。これから4時間30分の飛行機旅。時差がマイナス 1時間なので、現地は13時30分くらいの予定だ。最近、ちょっと太りすぎから、 ダイエットをしているが、この際だからちょっと中断の予定。しかし、機内食はいまいちを 通り越してまずかった。日ごろから「舌はない」と豪語しているわたしが言うのだから、 これはたいした物である。4年ほど前、キャセイパシフィックなどの機内食を担当している 成田の会社で、システム作りのお手伝いをしていたこともあり、そこが当時世界一の機内食 として表彰された所だったことから、そのギャップに大いに不満を覚える。日航どうした!!  香港の啓徳空港は、今年の7月5日で閉鎖され、あたらしい空港がオープンする。啓徳空港 の特徴は、世界で一番難しいといわれる、陸側からの着陸。ビルの間を縫って着陸する様は、 ほとんど曲芸。着陸したら拍手が起こった。この神業を体験できるのも、これが最後である。  香港は、くもりと晴れの間の天気だった。熱帯特有のスコールも注意しなければならない。 1万円を換金しようとしたら「土日で銀行やすみだよ。こんなんで良いの?」と聞いてくるの で、「イルノハ1ニチダケヨ!」と言い残す。 ともかく、ホテルに行きたい。テレビがなければ、変えてもらわねばならないのだ。 早速タクシーと行きたい所だが、そこはせこく行きましょう。空港シャトルみたいなバスに のる。ティム・シャ・ツイという一番の繁華街へと向かうバスは番号A1。料金は固定で 13.1香港ドル。だいたい250円といったとこだろうか。バス停前のチケット売り場で 切符を買い乗り込む。 出発してしばらく走ると、そこはもういかにも香港といった風情となる。混雑する路を抜ける と、もうそこはネイザンロード。くだんの安ホテルは、この路沿いである。 チェックインの3時までちょっと時間があるので、このバス路線沿いにあるペニンシュラ近く まで行ってやろうと考えて、どんどんネイザンロードを下る。もうちょっとでペニンシュラと いう所で降りた。さっそく、現地のおばちゃんが声を掛けてくる。 「+;−/%$##」 何かYesNoクエッションみたいだったので、何せ「No!」と答える。まさか、真っ昼間 からぽん引きではないだろうから、「ホテルある??」みたいな事を言ったのだろう。 それにしても暑い!ついさっき降ったスコールの後だから、もっと涼しくてもよかろうものが、 ただジトジトしているだけだ。暑さに負け、早くホテルへ行こうとペニンシュラには寄らず、 まわりの雑踏を見物しながら、路を上る。いろいろな商品がディスカウントらしい表示でならん でいるものの、日本でもあまり欲しいものが無い現在、興味を覚えるものはない。 さて、ホテルの近くまでやってきたつもりだが、なかなか見つからない。ここまで名前を書いて いなかったホテルの名は「プルーデンシャル・ホテル。」どっかの保険会社みたいな名前である から、まともだろうし、かまえもシッカリしているだろうと、呑気に探す。 とある百貨店までやってきて、涼み半分地図を広げてみたら、もう通り過ぎていた。どうも、 それらしい建物は見つからなかった。しばらくホテルで涼んでから、また南へと下る。 一つ一つのとおりの名前を確認しながら、目をさらのようにしてチェックしていると、ついに 「The Prudential Hotel」の旗を見つける事ができた。 クーポン券をもってチェックイン。にもかかわらず、ディポジット(前預け金)を500ドルも 取るという。ま、良いかとカードで払う。実際情けない事に、抗議をするだけの気力も英語力も ないというのが実状だ。ディポジットだというのだから、良いだろう。 さて、いよいよ部屋へと向かう。1237号室。ご覧のとおりの良い部屋だった!TVもある。 一応付けてみたら、ちゃんとスポーツ中継もしてるみたいで、卓球やビリヤードなんかの試合も やっていた。これは大丈夫のようだ。
ホテルを抜けだして、街をぶらつく事にした。我がホテルの目の前の光景が左上の絵である。 つまり、ここは香港でもかなり有名な所なのだ。以前来た時も確かにここにきたし、目の前の 「中芸」という百貨店?でドラ(!)を買った思い出すらある。この8100円は安いと満足する。 ホテルの地下はすぐジョーダンの地下鉄駅だ。ここから、土産話かこのHP用に体験乗車してみる ことにする。
自動販売機には路線図を写しだした画面がでている。行き先をおして、成人としていすれば、 いくらであると表示されるので金を入れる。すると、右のようなカードが出力される。 このカードを自動改札に入れると、パンチがおされ改札が完了する。現地の人々は、定期なのか 自動改札の上にカードをかざす事で、なにやら「ピッ」という音がして改札されている。 興味ふかいテクノロジーであるが、読み取りエラーが多いのか、何回もかざしている人もいる。 地下鉄にのって一駅で、さっきバスを降りたあたりまでやってきた。なお、切符のようなカード は、降りる時の自動改札で回収されてしまった。 今度は、ペニンシュラの前の噴水で涼み...やっぱり気が引けて中には入らず...そして、 周りをうろつき始めた。妙な麻雀牌を見ていると「象牙よ」なんていってるが、価格が安すぎる からウソだろう。ちなみに、300ドル(約6000円)だった。それよりも、となりの巨大な 牌が気になる。250ドルくらいだったけれど、それが乗せられるコタツが想像できなかったので やめる。 うろうろしていると、「VOW」で有名になった「エロリ本」という看板なんかを見つける。 どんな「エロリ本」があるのかと覗いてみたが、そこらでうってる日本の週刊誌と変わらなかった。 ド派手な香港と書いたTシャツを、やたらポルシェの写真をはりまくっている土産物屋で買う。 聞いたら自分のだそうで、よほど儲けたに違いないと思った。今日は、そのポルシェにちょっと 協力をしたというわけである。  香港に来て、何も食わなかったといえばよほどの変わり者。そこらの店に飛び込んでメニューを みる。「水餃子」と「鴨」に目が付いたので、注文しようとする。しかし、おじさんは日本語も 英語も解さない。身振り手振りでわかったことは、鴨はないらしい。それではと「水餃子ヌードル」 なるものを頼む。それと暑いので「ココナツミルク&あずき」という冷たい飲み物を頼んだ。 さっとでてくる、冷たい飲み物。たしかに、あずきが沈んでいるが、これがなんとも言えない味。 なんとかすすっていると、出てきた出てきた水餃子。ところが、つるりとやってまた動作が停止。 早々に逃げだして、不本意ながらマクドナルドへ直行。ビックマックのセット(外国ではミールと 言う)がアイスクリームを付けて20ドルちょっと(約400円)。これは安くまた、硬直もせず に済み、良い口直しとなった。まったく、世界共通の味には助けられるが、さびしくもある。 実は先の食い物騒動の間も、ちょっとしたスコールに降られて濡れていたので、ホテルへ帰還する 事にする。マクドも実はテイクアウトで、実際に食べたのはホテルの中である。時間は5時ごろ。 これから香港島へいっていれば、時差で8時からとなるワールドカップが見れない可能性もあるので、 ここはもう観光をあきらめ、着替えてひと寝入りすることにした。 タイマーに起こされると、8時20分。なかなかうまい昼寝といえる。早速テレビをつける。 ところがピンチ!さっき頼りにしたスポーツチャンネルは、まだ妙なスケートボードの中継をやって いる。まさか、やってないのでは??不安が胸をよぎる。チャンネルをかえても、孫悟空は出ても おなじみのサッカー風景は出てこない。 どうしよう!! 焦りを感じながら、ガチャガチャと...否!... ピッピッとチャンネルを変えていったら、 やっとクロアチアの選手らしき人が国歌を歌っているシーンがでた。ほっと胸をなで下ろす。 試合の結果はここでは書かないけれど、ハーフタイムの時に、喉がからからに渇いてきたので、 先に登場したマクドまで岡野ばりの全力疾走で駆けていって、またもや先と同じミールをゲット して帰ってくる。香港の中継は、やはりというかなんというかアジアの日本を応援しているようで、 日本がピンチになると「あいやー」なんて言っている。なんか、解説者があつまってハーフタイム にいろいろ検討してるみたいだ。さしずめ日本なら、さんまと清水圭なんかが集まって喋っている みたいなものだ。 後半が終了した。別に叫んだわけでもないが、喉がまたしてもからから。部屋の冷蔵庫のコーラの 価格は、なんと17ドル!マクドでミールが買える額である。やってられるかいな!! ふらふらと部屋を出て、ドアを閉め...  やってしまった。鍵が部屋のなかである。敗戦のショックはこんな所にでるものかと、責任転嫁は 良いとして、フロントに助けを呼ばねば成らない。部屋の番号を間違えないように何度も覚えて、 おりがけのエレベータでは英語を作文し、そしてフロントヘ。 「ワタチ、ダイスケ1237の部屋。ヘヤニきーヲノコシテシマッタ」 「じゃ、上でまっててください」 (はっきり言ってこの英語表記は西洋向けである。香港では、彼らの英語もカタカナにすべきだ!) 待っていると、係りの人が来て開けてくれた。
夜の町にでる。先のマクドはもう閉まっていた。恐いので明るい通りをあるいて、なんでも水分 らしき物を売っている店を探す。ちょっと行けば、またマクドがあって、これは開いていた。 訳のわからん手のような物の煮物、焼き物を売っている夜店の前を抜け、マクドに入っていった。 次の朝は、7時おきである。
さて、きっちりと起きる事に成功して風呂にゆっくり浸かり、8時半くらいにホテルをチェック アウトした。ディポジットは、やはり手違いだったのでキャンセルされていた。「ビデオ」を 見ていたので、90ドル別に払う。それにしても、ここのホテルの人は無愛想だ。90年と何も 印象が変わらない!やっぱり香港は嫌いだ! バス乗り場を探して、ネイザンロードを南下する。なにせ荷物は少ないので楽だ。シャトルA1の バスは循環で統一料金なので、どこから乗っても13.1ドル。しばらくいけば、バス乗り場が あり、バスもすぐにやってきた。 空港では、利用税らしい100ドルを払い、免税店でいくつかの土産物を買って、香港を後にする。 やっぱり何もかもが高く、これといって魅力のある商品も少なかったように思う。このままでは、 香港は衰退するのではないか?とさえ思えた。まだ、女性には見るべき物は多いのかもしれないが、 少なくとも自分から望んでは2度と足を踏み入れない土地だろうと思う。何しろ暑い...  ワールドカップのことが載っているかもしれない地元新聞を買って、記念とする事にした。 本当に載っていたかどうかは、まだ見ていない。 了
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