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小林先生へ(題名なし)




小林 宏先生は、わたしの中学と高校の校長先生です。
先生には、今でもいろいろなことを教わっており、いつも何かお礼をと思っていました。

ある春の日、先生が出席されているのでうかがった銀座教会では、花の日の礼拝が行われて
いました。

「愛の技は小さくても
  神の御手が働いて
   悩みの多い世の人を
    明るくきよくするでしょう。」
			讃美歌2編26番「ちいさなかごに」より

この歌は、わたしが一番好きな讃美歌のひとつで、カナダの教会でも献金のときや、何かの
集いで求められた時に弾いていたものです。

花の日礼拝で歌われているのを聞いたとき、「先生に曲を差し上げよう!」と思いました。

わたしは特にクリスチャンというわけではありません。しかし、小林先生をはじめ、多くの
母校関西学院の先生がたが、毎日礼拝でお話になった話が、どれほど今の自分に役立って
いるかを思えば、感謝しても感謝しきれない思いがあります。

ところが、その日から早速取り掛かったものの、なにやら大スランプに陥ってしまい、また、
やはりといっては大変失礼ながら、「よこしまな心」が入っていない分、今ひとつ気分が
はいらない状態が続いてしまいました。主題を作ってはやめ、途中まで作っては放り出しと、
なんと1年半が過ぎた2001年のクリスマス、やっと、先生のお宅にお持ちできました。

その後、そろそろ一年が過ぎようとしていますが、またしても不義理の虫がむくむくと顔を
だし、ご自宅は近いのにご挨拶にも伺わない始末。反省することしきりです。

さて、曲のほうですが、主題はどこかでありそうな合奏曲です。ただ、このテーマが指の
間から出てきたとき、「どこかで聞いたな」という思いより、「これだ!」という思いの
方が圧倒的に大きかったので、そのまま走りました。
うまくいかないもので、この変奏がうまくいかない。A−B−Aとまで簡単にできたのですが、
これがA−A’−B−B’−A”なんて感じにどうしてもならず、あっという間に曲が終わっ
てしまうのです。これには困ってしまいました。
鍵盤をふらふらと指がさまよっていると、まったく違った、今度は自分でいうのはなんですが、
とても美しいメロディーがつむぎだされてきました。このメロディーを、なんとか最初の主題と
ミックスし、変奏ではなくアレンジを変えて、主題を何度か登場させることで、曲に厚みを
持たせ、なんとかひとつの曲となったと思っています。
でも、この2つのメロディーのつなぎだけは、いまだに納得できないでいます。

基礎知識なしに曲を作るという場合、こういった難関が超えるに超えられないもの。
かといって、勉強しようとは思わないなまけもの。

困ったものです。

(実際に小林先生に差し上げた曲では、16チャンネル以上の音源を使用しています。)




「小林先生へ」のMIDIファイル
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