Last update on Nov.25th,2002
小林先生へ(題名なし)
小林 宏先生は、わたしの中学と高校の校長先生です。
先生には、今でもいろいろなことを教わっており、いつも何かお礼をと思っていました。
ある春の日、先生が出席されているのでうかがった銀座教会では、花の日の礼拝が行われて
いました。
「愛の技は小さくても
神の御手が働いて
悩みの多い世の人を
明るくきよくするでしょう。」
讃美歌2編26番「ちいさなかごに」より
この歌は、わたしが一番好きな讃美歌のひとつで、カナダの教会でも献金のときや、何かの
集いで求められた時に弾いていたものです。
花の日礼拝で歌われているのを聞いたとき、「先生に曲を差し上げよう!」と思いました。
わたしは特にクリスチャンというわけではありません。しかし、小林先生をはじめ、多くの
母校関西学院の先生がたが、毎日礼拝でお話になった話が、どれほど今の自分に役立って
いるかを思えば、感謝しても感謝しきれない思いがあります。
ところが、その日から早速取り掛かったものの、なにやら大スランプに陥ってしまい、また、
やはりといっては大変失礼ながら、「よこしまな心」が入っていない分、今ひとつ気分が
はいらない状態が続いてしまいました。主題を作ってはやめ、途中まで作っては放り出しと、
なんと1年半が過ぎた2001年のクリスマス、やっと、先生のお宅にお持ちできました。
その後、そろそろ一年が過ぎようとしていますが、またしても不義理の虫がむくむくと顔を
だし、ご自宅は近いのにご挨拶にも伺わない始末。反省することしきりです。
さて、曲のほうですが、主題はどこかでありそうな合奏曲です。ただ、このテーマが指の
間から出てきたとき、「どこかで聞いたな」という思いより、「これだ!」という思いの
方が圧倒的に大きかったので、そのまま走りました。
うまくいかないもので、この変奏がうまくいかない。A−B−Aとまで簡単にできたのですが、
これがA−A’−B−B’−A”なんて感じにどうしてもならず、あっという間に曲が終わっ
てしまうのです。これには困ってしまいました。
鍵盤をふらふらと指がさまよっていると、まったく違った、今度は自分でいうのはなんですが、
とても美しいメロディーがつむぎだされてきました。このメロディーを、なんとか最初の主題と
ミックスし、変奏ではなくアレンジを変えて、主題を何度か登場させることで、曲に厚みを
持たせ、なんとかひとつの曲となったと思っています。
でも、この2つのメロディーのつなぎだけは、いまだに納得できないでいます。
基礎知識なしに曲を作るという場合、こういった難関が超えるに超えられないもの。
かといって、勉強しようとは思わないなまけもの。
困ったものです。
(実際に小林先生に差し上げた曲では、16チャンネル以上の音源を使用しています。)
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